こぐまがメンテナンス診療を維持する理由 2020.6

こぐまがメンテナンス診療を維持する理由 2020.6

 今、歯科医院の受診は「痛みなどがある時」など、急を要する時以外は自粛し、不要不急のメンテナンスなどは延期して下さい!とも言われていますが、不要なメンテナンスなど、そもそもないと思っています。不急はどうか?このコロナの問題が数ヶ月で終息するなら、(短期的には)時期を延期するのも1つの考え方です。でも、6ヶ月いや1年以上続くとしたらどうでしょう?

 長期的視点で見ると、問題を先送りし、それも重篤化させてしまうということになりかねません。やがてそういう患者さんで歯科医院はあふれかえるでしょう。

 私たち専門家が今診ておいたら、リスクに気づき、火事(お口の中の危機を例えると)が起こらないように対処ができるのに、『今熱くない人は診ません』『火事がひどくなったら来てください』といってるのと同じだと思い、感染対策を強化しながらメンテナンスをしっかりと実施しています。

私たちの方向性

「歯や歯茎のリスクを判定(診査・検査)し、問題なければフッ素などを塗って終了、リスクがあれば必要最低限度の応急処置をして火事を未然に防ぐ」そんな危機管理の意味合いのメンテナンスから始め、しっかりと感染対策をして通常どおりのメンテナンス診療ができるよう努力をしています。

それでも、エアロゾル(細かな粒子)を巻き上げてしまう、歯を削ったり、歯石を取ったりする器械を使う歯科医院は、リスクが高いです。

当院の取っている対策(院内掲示ポスタ参照)

●メンテナンス時に歯石を取る器械を使用中止にする(現在すでに実施中)
 7月~8月にかけてメンテナンス用のチェアにも口腔外吸引装置が設置され次第、元に戻す予定
●どうしても高速で歯を削る器械(タービン)を使わないといけない治療の患者さんは水曜日のみの受け入れ、メンテナンス患者さんはそれ以外の曜日とし、メンテナンスと治療の分離を行う(6月1日より実施)
 その他、出来るだけの対策を実施し、今後も準備が整い次第、追加していく予定です

メンテナンス診療の変更

普段のメンテナンス
 色素沈着、歯石などをきちんと取り、歯を白く美しくして、虫歯予防も図る
4月/5月メンテナンス
 リスク判定(トリアージ)に重きをおいたもの
 リスクなしと判断されたら⇒クリーニングなどはせず、フッ素・進行止めの薬をぬって、早く終了
 リスクありと判断されたら⇒きちんと応急処置をして危機の回避(火事がひろがらないよう対処)
6月以降のメンテナンス
 エアロゾルを巻き上げる機械はまだ使わないが、徐々に普段のメンテナンスに近づけていきます

 以上、初めての経験でわからないことも多く、資源の限られる中で、私たち医療提供側の安全も図りつつ、我々にできる最善を尽くしております。何かと不行き届き、ご迷惑おかけする点も多いかと思いますが、何卒ご理解ご協力の程、よろしくお願いいたします。

                         こぐま小児歯科 院長 渡辺 正知